『羊飼いと風船』パンフレットと感想
2019年 / 中国 / チベット語 / 102分 / 配給:ビターズ・エンド
原題:気球(英題:BALLOON)
感想
チベットに暮らす家族の日常、ドキュメンタリーかと思っていたら、あれ?思っていたのと違う方向に行くぞ?とびっくり。性と宗教、女性の生きづらさ…長回しの撮影で自然に、でもところどころに夢のような幻想的なシーンもあったりで曖昧に溶け合って進んでいくのが面白かった。
生まれ変わりとか当たり前のように信じていて男性(夫、長男)は祖父の生まれ変わりである子どもを産んでくれと頼むが、女性は現実的。49日も過ぎていないのに早すぎる、4人目は罰金がかかる、3人の子の生活・勉強はどうなるの、もやもやをかかえたまま妻は尼の妹とともに寺院に行って終わる。
中国からの映画となるので検閲とかで私たちに伝わらない部分もあるんだろうな。そういうのはどこで拾えるんだろうか。
パンフレット
価格:750円。サイズ:B5(25ページ)
- 監督インタビュー。子どもや老人は演技経験がない地元の人ってのに驚き。チベット人のプロの子役、老人役はいないのだそう。
- コラムが2つ。映画ジャーナリストの久保玲子さん。私の好きな映画アンドリュー・ヘイ『さざなみ』(2015)の話題もちらり。字幕監修もされている星泉さん(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
- 映画の舞台となったアムド(東北チベット)をイラストで図解されているのがとても分かりやすい。民族衣装や劇中に出てきたパン、家の中の暮らしぶりなど4ページにわたって丁寧に解説されている。
イラストレーターは蔵西さん。(https://twitter.com/kuranishitenten )
漫画も描かれているみたいでチベット題材のブロマンス漫画が気になるな…